BSフジ「華大の知りたい!サタデー」3月5日で、昆布の様々な健康効果と家庭料理研究家奥薗壽子さんによるとろろ昆布レシピが放送されましたので紹介したいと思います。
昆布の健康効果とは?
昆布の消費量は年々減ってきており右肩下がりになってきているといいます。昆布は、現代の食生活では人気がないようです。でも実は、昆布はとても栄養豊富で、様々な健康効果が期待できる食材だということが分かってきました。昆布には、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄などミネラルが豊富に含まれ、他にもEPA、ビタミンA群、B群、食物繊維と様々な栄養が含まれています。旨味成分であるグルタミン酸も多く含まれています。そんな昆布ですが中でも注目の健康成分が水溶性食物繊維であるアルギン酸とフコイダンです。この2つの成分は最近の研究で様々な健康効果があることが分かりました。
アルギン酸の血圧・血糖値の上昇抑制効果
アルギン酸は、糖分を抱え込む性質を持つため、小腸から糖分の吸収を和らげてくれ、糖分を体から外へ出してくれる働きがあります。これにより血糖値の上昇が抑えられ、下がり方も緩やかにしてくれるので糖尿病の予防効果が期待できます。さらにアルギン酸には、血圧上昇の原因である塩分も吸収し濃度を減少させる働きあります。これにより高血圧予防にも効果的です。他にも脂肪、油、コレステロールも体外に排出してくれる働きがあります。
フコイダンの免疫力を高める効果
フコイダンは昆布のネバネバに含まれる成分です。このフコイダンが腸のパイエル板と呼ばれるリンパ節の仲間に触れると免疫細胞の一つであるNK細胞が刺激されて活性化させる働きがあります。活性化することで免疫力が高まるということです。
フコイダンは、他にも腸内環境の改善、肝機能改善、アレルギー改善、便秘改善、がん細胞抑制など体に良い様々な健康効果が期待できます。
どんな昆布がオススメ?
アルギン酸やフコイダンの成分を一番効率よく摂るには昆布の中でも薄く細かく切って成分が吸収しやすくなったとろろ昆布がオススメです。
1日どれだけ昆布をとればいいの?
とろろ昆布なら1日3g程度が目安です。
■がごめとろろ昆布
フコイダンが通常の昆布より約3倍含まれるがごめ昆布のとろろ昆布です。
奥薗壽子さんのとろろ昆布料理とは?
栄養豊富な昆布を毎日摂りたいということで、家庭料理研究家 奥薗壽子さんが昆布を使った料理を紹介してくれました。実は奥薗さん、昆布を使ったレシピ本も出版しており昆布使いの達人でもあります。奥薗さんといえば、余計な手間を省いたラクうま料理を考案する方としても知られている方です。今回は、昆布の栄養が一番効率よくとれるとろろ昆布を使ったシンプルだけどとても美味しい万能レシピです。
とろろ昆布とえのきのなめたけ風 レシピ
<材料>
とろろ昆布 … 10g
えのき … 1袋(200g)
醤油 … 大さじ2
みりん … 大さじ2
鰹節 … 4g
<作り方>
(1) とろろ昆布はあらかじめキッチンはさみで細かく切る。
(2) えのきは細かく約1cm幅に切る。
(3) 耐熱容器に、切ったえのきにしょうゆ、みりんを加えて混ぜる。
(4) ラップをして電子レンジに2分かける。
(5) 取り出したら、そこにとろろ昆布と鰹節を混ぜて出来上がり。
冷蔵庫で4日間保存可能。
<ポイント>
とろろ昆布は買ってすぐにキッチンはさみで切ってほぐしておくと、繊維が喉に引っかからず食べやすくなるだけでなく袋から取り出しやすくなる。
えのきは頭から切るとバラバラにならずに切りやすい。
<えのきの健康効果>
今回とろろ昆布と一緒に使ったえのきにも様々な健康効果があります。えのきにはビタミンB群が多く含まれ疲労回復効果が期待できます。食物繊維も多く含まれ便秘改善に効果的です。またキノコに含まれるキノコキトサンもえのきには多く含まれ、体の中の余分な脂を体外へ排泄しダイエット効果が期待できます。
他にも血糖値を下げてインスリンの分泌を増やす働きがあり糖尿病予防改善に効果があります。
試食した博多大吉さんから「コレ、めちゃくちゃうまいです。」とのコメントがありました。
そのまま食べてOKですが、アレンジレシピとしては、お湯を入れればそのままおすましになりますし、ほうれん草のおひたしや卵焼きに混ぜたり、豆腐にかけたり様々な使い方ができるといいます。
とろろねばねばスパゲッティ レシピ
とろろとえのきのなめたけ風を使ったスパゲティです。納豆と長いもを加えてさらにねばねば感を出した一品です。
<材料>
納豆 … 2パック
納豆付属のタレか醤油 … 適宜
長いも … 200g
とろろとえのきのなめたけ風 … 適宜
スパゲテイー … 160g
青ネギ … 適宜
<作り方>
(1) 鍋に湯を沸かし、塩を加えて、スパゲテイーを表示時間通り茹でる。
塩はお湯500ccに対して小さじ1。
(2) ボウルに納豆を入れ、付属のタレか醤油を加えて混ぜる。
(3) 長いもは皮をむいてポリ袋に入れ、袋の上から麺棒でたたいて砕く。
(4) 袋の口を縛って角を切り、納豆の中に絞り入れて混ぜる。
(5) 茹でたスパゲティを加えて和える。
(6) お皿に盛り、とろろとえのきのなめたけ風をお好み量をのせる。
(7) 仕上げに小口切りにしたネギを散らせば出来上がり。
<栄養ポイント>
納豆と長芋のネバネバ成分であるムチンが滋養強壮などの効果が期待でき、
とろろ昆布との相乗効果が期待できます。
試食では、みなさんウマイと評判でした。
■奥薗壽子さんの昆布レシピ本
昆布の種類と使い方は?
最後に昆布の種類と使い方です。日本の昆布の約9割が北海道産です。その北海道産の昆布にも様々な種類があり、オススメの使い方もあります。
■利尻昆布
香りが良くほんのり塩味がありとろみがある。
京料理や会席料理に使用され、湯豆腐・お吸い物にオススメ。
■羅臼昆布
風味が強く濃厚でコクがある出汁がとれる。
食べても柔らかくおしゃぶり昆布や昆布巻き、佃煮にオススメ。
■長昆布
生産量が最も多く煮溶けないので加工に向く。
おでん、佃煮などにオススメ。
■日高昆布
生産量が多く、比較的安く柔らかく火が通りやすい。
煮物、昆布巻き、おでんなどにオススメ。
■真昆布
上品な甘みがあり昆布の最上級品。
料亭やとろろ昆布、おぼろ昆布として使われ、お吸い物、鍋物などにオススメ。
■がごめ昆布
粘りが強く、フコイダンが通常の昆布より約3倍含まれる。
とろろ昆布や松前漬けに使われる。
■都こんぶ
食物繊維・カルシウムたっぷりのロングセラー商品です